こんにちは、朝川です。
2026年4月、河口湖へひとり旅で行ってきました。
今回は旅の最終日に参加した、青木ヶ原樹海の1日トレッキングツアーについて紹介します。
樹海散策だけでなく、一般観光客が入れない溶岩洞窟を3つ探検できるディープなコース。
「樹海ってどんな場所?」「怖いんじゃないの?」と思っている方にこそ読んでほしい記事です。
この記事の目次
ツアー基本情報
| コース名 | 青木ヶ原樹海1日トレッキングツアー(Bコース)一般観光客が行けないディープな3つの溶岩洞窟を探検!富士風穴+鳴沢コウモリ穴+本栖氷穴 |
| 料金 | 8,500円(1名) |
| 所要時間 | 約6時間(トレッキングは10:00〜15:30、前後30分は送迎) |
| 参加人数 | 2名〜 ※催行確定日は1名でも参加可能 |
| ランチ | あり |
| ツアーに含まれるもの | グローブ、ヘルメット、ヘッドライト、リュック(貴重品を入れる用)、トレッキング用のズボン、お弁当、お茶 |
| 公式サイト | 冨士エコツアーサービス |
予約方法|1人参加OKが決め手
このツアーは、公式サイト・VELTRA・アソビューなどから予約が可能。
樹海トレッキングは基本的に2名から参加OKのツアーが多いです。
私はひとり参加だったので、すでに催行が確定していて(=他にも参加者がいる)、1名参加でもOKだったこのツアーに参加しました。
参加前日の14時ごろに予約しましたが、冨士エコツアーサービスからのレスポンスは早く、ピックアップ場所と時間の連絡をすぐにもらえて安心しました。
当日のスケジュール
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:40 | ホテル(登り坂ホテル)にてピックアップ |
| 9:50 | 道の駅なるさわにて他の参加者をピックアップ |
| 10:00〜12:00 | 青木ヶ原樹海トレッキング・洞窟探検開始 |
| 12:00〜12:40 | 樹海の中でランチ |
| 12:40〜15:30 | トレッキング・洞窟探検終了 |
| 15:50 | 道の駅なるさわに到着・解散 |
| 16:00 | 河口湖駅に到着・解散 |
河口湖町内のホテルであれば送迎が可能です。(対象ホテルかはツアー会社と確認が必要)
私は、行きは宿泊ホテル(登り坂ホテル)でピックアップ、帰りは河口湖駅まで送ってもらいました。
貴重品以外の荷物は車の中に置いておくことができたのも助かりました。
この日の参加者は私を含めて5名。
私以外の4名はグループ参加で、道の駅なるさわで集合/解散でした。
ちなみに、道の駅なるさわを観光する時間は含まれていません。
参加者のピックアップとトイレ休憩での立ち寄りのみですのでご注意を。

青木ヶ原樹海とはどんな場所?
樹海の成り立ちと名前の由来

青木ヶ原樹海は、今から約1,200年前の西暦864年に起きた富士山の貞観(じょうがん)噴火で流れ出た溶岩の上にできた森です。1
溶岩が冷え固まった土地に、苔が生えては枯れてを繰り返しながら少しずつ土ができ、木が育つ環境が整いました。
「樹海」という名前の由来は、溶岩のために根が深く張れず木の高さが揃い、上から見ると海のように見えることからという説や、風で葉が揺れて波のように見えることが由来という説もあります。
溶岩が作る森と普通の森との違い
ガイドさんによると、樹海の土の厚さはわずか5cmほど。
地盤が溶岩で根を地中深くに張れないため、根が横に広がったり地上に剥き出しになったりしているのが特徴的です。
根が浅い分、強風や経年劣化での倒木も多く、樹海の中では倒れた木々をあちこちで見かけました。
そこに苔が繁殖し、まるでジブリのような世界観。

また根が広く浅く張り巡らされているため、木々が互いに支え合うように密集して育つのも樹海ならではの光景。
隣接する大室山は地盤が溶岩ではないため、樹海とは育つ木の種類も見た目もまったく異なります。
ガイドさんの説明を聞きながら、土壌の違いが森の姿に大きく影響していることを学びました。
方位磁石が狂うという噂は本当?
樹海に関するよくある話が「方位磁石の針がくるう」というものです。
これは完全な嘘ではありませんが、正確でもありません。
針が狂うのは、磁鉄鉱(磁性を持つ鉄鉱石)を多く含む溶岩の近くに限った話です。
実際にガイドさんが方位磁石で実験をしてくれましたが、胸の高さで確認するとちゃんと正しい方角を指してました(笑)
道に迷った人が地面に地図や磁石を広げて使ったことでくるいを発見し、それが樹海全体の話として独り歩きしてしまったのかもしれません。
樹海の「本当の怖さ」とは
樹海といえば不幸な事故や事件のイメージを持つ方も多いと思います。(私もツアー参加前は怖いイメージを持っていました)
そのイメージの多くは、松本清張の長編小説『波の塔』の舞台の一つとして樹海が登場したことから広まったものだそうです。
ガイドさん曰く、実際に亡くなる方の原因として、遭難や溶岩の穴への転落、その転落による負傷が多いとのことでした。
実際に写真のような穴が点在しており、木の枝や葉に覆われて落とし穴のようになっているところも。

トレッキング中はガイドさんが案内してくれる道を歩くので問題ないですが、単独で樹海に入った場合は確かに危険だと実感しました。
また、遊歩道を外れて少し歩くと周囲の景色はほぼ同じで来た道が一瞬でわからなくなってしまいました。
方向感覚を失いやすく、遭難のリスクが一気に高まることも身を持って体験しました。

【ツアーの魅力1】樹海散策
小さな生き物たちの神秘
ガイド付きトレッキングだからこそ知れた樹海の魅力が「小さな生き物の神秘」。
前日に大雨が降っていたおかげで、ガイドさんのデジタル顕微鏡で覗くと、水分を吸って生き生きとした美しい苔たちの様子が。
壮大な樹海を創造するきっかけになった苔たちの力強さを感じました。

苔に加えて、菌類のネットワークも樹海の再生・成長のサイクルに一役買っているというお話も興味深かったです。
きのこが多く寄生している木は倒壊の可能性が高いサインだとガイドさんから教わりました。
これは木の内部に菌が侵食して分解が始まっている合図。
キャンプをするときはきのこが付いていない木の近くにテントを立てるのが良いそうです。

菌類は洞窟の中でも見つけることができました。
この写真のように洞窟内の壁一面に菌糸が張り巡らされています。
樹海と菌はお互いが必要不可欠な関係であるということも学びました。

樹木が持つ生命のエネルギー
樹海はユニークな樹々の宝庫。
この写真はその一例です。

おそらく一度倒木したものの、割れ目から新しい木の芽が生えて再び上へと伸びています。
一度折れてもへこたれない、強い生命力を感じます。
続いてこちらの写真。

真ん中にある折れた木の残りが、あぐらをかいて座っている鬼のように見えませんか?
実際に見た時はビクっとしましたし、これを夜見たら普通に怖い。(笑)
このような自然によって生み出されたアート作品のような造形も樹海には多く存在しています。
他にも、動物に見えそうな岩や重力に反発して伸び続ける木々など見どころ満載でした。
野生のニホンジカとの遭遇
幸運なことに、トレッキング途中に野生のニホンジカに遭遇しました。
ご飯中だったようで、しばらくその姿を観察できました。(5頭ほどいたので家族だったのかもしれません)
樹海の中でこんな出会いがあるとは。
いつも遭遇できる訳ではないので、この日は本当に運が良かったです。
【ツアーの魅力2】溶岩洞窟を3ヶ所探検
洞窟内の体験
このツアー最大の目玉が、一般観光客が入れない溶岩洞窟3ヶ所(富士風穴・鳴沢コウモリ穴・本栖氷穴)への入洞です。
4月上旬でも洞窟内はまだ凍っていて、氷柱や氷筍(ひょうじゅん)が見られました。
また洞窟の壁には溶岩が流れて固まった跡が見れるので、「本当にここに溶岩が流れていたんだ」ということが一目でわかります。

地面に水滴が落ちて凍結して…を繰り返した結果生まれた「氷筍」は、7月ごろまで見れるそうです。

これだけの高さになるまでに一体どのくらいの時間がかかったのだろう…とここでも自然の力を感じました。


洞窟の中は、ほふく前進まではいきませんが、かがんで進む場所や最長8メートルほどを上り下りするポイントがあります。

洞窟の奥へ入る時は、溶岩の壁をボルダリングしているようでした。
「次はここに手を置いて」「足はここに」「この岩はぐらついてるから注意」と、ガイドさんや他の参加者と声をかけ合いながら一歩一歩ゆっくりと進みました。

溶岩の壁はザラザラで、でこぼこしているため、素手で触ると擦り傷になりやすいです。
ツアー会社から滑り止め付きの手袋を貸してもらえるので安心ですが、気を抜かないようにして注意が必要でした。

漆黒の闇と静寂の体験
洞窟内でヘッドライトを一斉に消す時間がありました。
そこは、文字通り何も見えない漆黒の暗闇と、水滴が落ちる音だけが聞こえる静寂の世界。
日常ではまず体験できない不思議な感覚になりました。
洞窟の入口から差し込む光もとても神秘的で美しく、このツアーのハイライトといっても過言ではないと思います。
なお洞窟内は狭くて暗いので、ガイドさんから「恥ずかしくないから無理そうだったら遠慮せずに言ってくださいね」と配慮のある声かけが事前にありました。

【ツアーの魅力3】樹海の中でランチ

ランチは樹海の中でいただきました。
これもなかなかできない貴重な体験です。(笑)
内容はおにぎり・唐揚げ・お漬物・お茶のシンプルなもので、ツアー料金に含まれています。(レジャーシートもツアー会社が用意してくれていました)
おにぎりは1つ1つが大きくて、結構ボリュームがありました。
ただ、樹海にはトイレがないので、水分の摂りすぎには注意が必要です。
いざとなったらガイドさんに相談すれば対応方法を教えてもらえますが、道の駅なるさわで事前に済ませておくのが賢明です。
ツアーに含まれるもの・服装・注意点
ツアーに含まれるもの
以下はツアーに含まれており、装備類はすべてツアー会社から無料で貸し出されます。
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| ヘルメット | 洞窟探検で使用 |
| ヘッドライト | 洞窟探検で使用 |
| 滑り止め付き手袋 | 洞窟探検で使用 |
| 防水ズボン | 雨天時・洞窟探検で使用 |
| リュックサック | 貴重品のみ入れて参加 |
| レジャーシート | ランチ時に使用 |
| お弁当・お茶 |
服装と靴について
私は以下の装備で参加しました。
トレッキングなので、多少は泥がついたり濡れたりします。(下は防水ズボンを貸してもらえたのでそこまで汚れませんでした)
靴はスニーカー必須、できればトレッキングシューズがベストです。
樹海の倒木の表面はつるつるで本当によく滑ります。
洞窟の中も水滴で濡れていたり、4月でもまだ凍結している箇所があったりして普通に滑ります。
スニーカーでギリギリOKという感覚だったので、トレッキングシューズがあれば安心です。
【注意点1】スマホの扱いに注意
洞窟内は動きの自由がきかず、バランスも取りにくいため、手が濡れてスマホを落とすリスクもあります。
地盤が溶岩で非常に硬いので、落としたら画面が割れる可能性が高いです。
スマホはストラップに取り付けておくことを強くおすすめします。
要所要所でガイドさんがたくさん写真を撮ってくれるので、撮影はガイドさんに任せるのも一つの手。
この写真は富士風穴の中からガイドさんが撮ってくれた写真です。

入り口がコウモリの形になっているのが特徴ということで良い記念になりました。
【注意点2】参加前に体を準備しておこう
このツアーは私のようなトレッキング初心者でも参加できましたが、足腰を鍛える運動は事前にしておいた方がいいと感じました。
当日は道の駅なるさわで参加者全員で事前ストレッチを行いましたが、洞窟の上り下りは溶岩が作り出した形に合わせて進む必要があるので、日常生活ではあまりしない不規則な動作がになります。
特に、股関節・肩周りのストレッチや散歩を習慣にしておくと洞窟内でもスムーズに動けると思いました。
よくある質問|青木ヶ原樹海トレッキングツアーQ&A
まとめ
「樹海=怖い場所」というイメージを持っている方に、ぜひ参加してほしいツアーです。
実際に行ってみると、神秘的な自然の美しさ、生き物たちの力強さ、溶岩が作り出すユニークな地形などポジティブな印象の方が圧倒的に強い場所でした。
知識豊富なガイドさんの解説付きで、樹海の成り立ちや生態系について深く学べたのも大きな収穫です。
この記事があなたの旅の計画に役立てば嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございました!
(引用)
- 国土交通省 中部地方整備局 富士砂防事務所 『富士山と火山 5.貞観噴火』 ↩︎









