- 駐在と現地採用で医療保険の福利厚生って違うの?
- マレーシアの病院・歯医者の治療費ってどのくらい?
- 現地採用としてマレーシアで働くけど医療保険って入っておいた方がいい?
このような疑問についてマレーシアで現地採用として2020年まで働いていた筆者の実体験をもとにお答えしていきます!
マレーシア就職に興味のある方や、ビジネス・旅行・留学などこれからマレーシアへ渡航予定の方にとって参考になれば幸いです。
この記事の目次
どんな医療保険に入っていた?海外駐在員との違いは?
まずは、私がマレーシアで働いていたときに医療に関するどのような福利厚生があったかについてお話しします。
医療保険は以下の通り、海外駐在と現地採用で異なる医療保険に加入していました。
※企業によって状況は異なりますので一例としてご参考ください。
| 海外駐在 | 現地採用 |
| 会社負担で海外駐在員向けの 日本の医療保険に加入 | 会社負担で現地スタッフと同じ マレーシアの医療保険に加入 |
一般的に海外駐在員は、会社負担で駐在員向け長期滞在用の医療保険に加入した上で赴任します。日本の保険会社が販売している医療保険なので、キャッシュレス対応や日本語の医療通訳サービス付きであることが多いです。
対して現地採用の私の場合は、会社負担でマレーシア人スタッフと同じ医療保険に入っていました。しかしこの医療保険は手術や入院といったよっぽどのことでないと保険がおりない内容で、風邪など軽い症状の治療費は保険の適用範囲外でした。
ただこの医療保険とは別に、会社の福利厚生の一つで医療費と歯科治療費を会社が一定額負担してくれる制度がありました。会社負担額にはもちろん上限がありますが、個人的にはこちらの方が助かりました。
私がマレーシアで払った医療費・歯科治療費の記録

続いては、マレーシア滞在中に私が実際に支払った医療費・歯科治療費についてです。
私はマレーシアにいた3年間で、クリニックに3回、歯医者に1回行きました。
定期的に通院が必要な持病もなかったので、思ったよりも健康に過ごせました。マレーシアは常夏なので季節の変化がなく体調管理がしやすかったのも理由の一つだったのかなとも思います。
それでは当時の思い出とともに振り返っていきます。
※RM1=26円、小数点以下は四捨五入で計算しています。RM=マレーシアリンギット。
貧血で体調をくずし日系クリニックへ:治療費@RM249.60 (6,490円)
私がマレーシアで初めてクリニックに行ったのは渡航から1年後のこと。その日は朝から体調がすぐれず、出社したもののめまいで仕事が手につかない状態だったので早退してクリニックに行くことにしました。
初めてマレーシアで体調をくずして不安だったこともありクアラルンプールにある日系クリニックへ。日本人スタッフが常駐しており、必要であれば診察中に通訳をしてもらえるので安心です。先生はマレーシア人ですが日本語も少しわかる方だったので、英語と日本語を交えながら診察してもらいました。
この日は診察の後に点滴を打ち、その後薬をもらって帰宅しました。
治療費の合計はRM249.60(6,490円)。内訳は以下の通りです。
| <項目名> | <金額> |
| 診察代(30分以下) | RM35 (910円) |
| 投薬代 | RM50 (1,300円) |
| 点滴(ビタミンB) | RM33.40 (868円) |
| 点滴(ビタミンC) | RM33.40 (868円) |
| 点滴(ラニチジン) | RM6.30 (164円) |
| 点滴(メトコロプラミド) | RM3.60 (94円) |
| 抗生剤 | RM26 (676円) |
| 喉スプレー | RM53.90 (1,401円) |
| 胃酸発生を抑制する薬 | RM8 (208円) |
| 合計 | RM249.60 (6,490円) |
経過観察のため再度日系クリニックへ:治療費@RM80 (2,080円)
前回の通院時に先生から「経過観察のために数日後にもう一度来てください」と言われたので再びクリニックへ。
完全に回復していたのでこの日は薬をもらわず診察のみで終わりました。
治療費の合計はRM80 (2,080円)。内訳は以下の通りです。
| <項目名> | <金額> |
| 診察代(25分) | RM35 (910円) |
| 検査代 | RM45 (1,170円) |
| 合計 | RM80 (2,080円) |
風邪で日系クリニックへ:治療費@RM230.80 (6,001円)
マレーシアでの生活にも慣れたはずの2年目の年末。仕事も無事おさめて気が緩んだのか何だか喉に痛みが…。
日本から持ってきていた風邪薬を飲んでも一向に良くならず、咳・吐き気の症状も出だしたので、これまでと同じ日系クリニックに行くことにしました。
風邪と診断され、薬を色々もらって帰宅。体調不良のまま年越しとなってしまいましたが、幸いその後すぐ回復しました。
この日の治療費の合計はRM230.80 (6,001円)。内訳は以下の通りです。
| <項目名> | <金額> |
| 診察代(30分以下) | RM35 (910円) |
| 投薬代 | RM50 (1,300円) |
| 検査代 | RM90 (2,340円) |
| トローチ(咳止め用の錠剤) | RM4.80 (125円) |
| ドンペリドン錠10mg(内服薬) | RM10.20 (265円) |
| パナドール(解熱鎮痛剤) | RM10.80 (281円) |
| 診断書 | RM30 (780円) |
| 合計 | RM230.80 (6,001円) |
詰め物が欠けてローカルの歯科クリニックへ:治療費@RM700 (18,200円)

最後はマレーシアで歯医者に行った時の記録です。
マレーシア生活も3年目に突入したある日のランチタイム。よく行くローカルレストランでお気に入りのナシゴレンアヤム(焼き飯+フライドチキン)を頬張っていた時のことでした。
口内に突然響いた「ガリッ」と言うにぶい音。なんとフライドチキンの骨を誤って噛むというまさかの凡ミスにより歯の詰め物が欠けてしまいました…(涙)
とにかく高額であることでよく知られる海外の歯科治療費。しかし口内に残る違和感に耐えきれず泣く泣くマレーシアで初めて歯医者に行くことにしました。
ローカルの歯科クリニックだったので先生もスタッフも皆マレーシア人。全て英語でやりとりしなければならず普段使わない歯科系の用語を必死に聞き取り、翻訳アプリも駆使しながらなんとかコミュニケーションを取りました。
診察の結果、新しく3箇所に詰め物をする必要があると言われ、断る余地なく先生の提案のまま治療してもらうことに。
この治療でかかった費用の合計は合計RM700 (18,200円)。内訳は以下の通りです。
先生から金額について事前にちゃんと説明はありましたが、2万円弱が一気に吹っ飛んでいきました…。
| <項目名> | <金額> |
| X線撮影 | RM50 (1,300円) |
| 詰め物(大) x 1 | RM300 (7,800円) |
| 詰め物(中) x 1 | RM200 (5,200円) |
| 詰め物(小) x 1 | RM150 (3,900円) |
| 合計 | RM700 (18,200円) |
マレーシアで民間医療機関にかかる前に知っておくべきこと

ここまでマレーシアで私が支払った治療費についてご紹介してきました。
日本では医療費は3割負担が一般的ですが、海外では医療保険が適用できなければ基本的には全額自己負担。やっぱり治療費って高額だな〜と思った人も多かったのではないでしょうか。
そして治療費に加えてこの通院経験から学んだことがもう一つあります。
それは「マレーシアの民間医療機関はビジネスとして医療サービスを提供している」ということ。
マレーシアにある民間医療機関が対象とするのは主に高所得者や富裕層の外国人であることが多いです。*
例えば、海外駐在員が会社の医療保険と提携している日系クリニックに行く場合、保険を適用できることがほとんどなので治療費について深く考える必要がありません。クリニック側もそれを知った上で様々な治療や薬のオプションをすすめるため、結果的に治療費も高くなっていきます。
このことをまだ知らなかった頃にマレーシア人の友人から「民間のクリニックはビジネスだからいろんな治療や薬をすすめてくるけど、これはさすがにいらないと思ったら断っていいんだよ〜」と言われた時はとても驚きました。
確かに私が貧血で初めてクリニックに行ったときも「点滴を打ちますか?」と聞かれたので、言われるがままにお願いしました。しかし後から冷静になって考えてみると、点滴までする必要は正直なかったな…と思います(苦笑)
ただ医療の知識がない中で自己判断するのはかなり難しいですし、緊急時であればもはやどうすることもできません。こういった点からも医療保険は大切なんだな…と感じました。
* 参考:厚生労働省「2019年 海外情勢報告」(本文)
現地採用で働く場合、自費で別の医療保険を購入した方がいい?

さてこちらの疑問ですが、購入すべきかどうかは「就業先の医療保険や、医療費に関する福利厚生の充実度合いによる」というのが個人的な感想です。
まずは就業先が提供する医療保険の適用範囲はどこまでか、どんな福利厚生があるのかといった詳細を確認し、それだけでは不十分と感じれば別で医療保険を購入したらよいと思います。
先ほど医療保険は大切と言っておきながら、実際のところ私自身は会社が提供する医療保険(結局使うことはありませんでしたが)と治療費の一部負担制度の利用のみで3年間生活していました(苦笑)
結果的に大きな事故や病気もなく3年間過ごせたのでよかったのですが、今思えば事故や入院だけをカバーしている会社の医療保険のみで生活していたのはかなりリスキーだったなとも思います。
残念ながら現地採用には海外駐在員のような任期はないので、日本の保険会社が販売する駐在員用の長期医療保険は購入できません。もし自費で別途医療保険を購入する場合は、基本的にマレーシア国内の保険会社が販売する医療保険を購入することになります。
ここで保険会社をご紹介できず申し訳ないのですが、もし購入を検討したい場合はマレーシアの保険会社に直接問い合わせるか、現地転職エージェントなどに聞いてみるのもよいかと思います。
治安は比較的良いとされるマレーシアでも海外であることに変わりはありません。思いがけない事態に見舞われる可能性もありますので常に細心の注意を払っておく必要はあります。
- 朝通勤中にひったくりに遭って転倒し打撲・擦り傷を負った
- 外出中に蚊に刺されてデング熱にかかって入院した
- マレーシア国内を旅行中に参加したマリンアクティビティで骨折した
- インフルエンザにかかった
- バイクを運転中にスコール(集中豪雨)に遭いタイヤが滑って横転し大怪我を負った
※ マレーシアは車社会で、かつ毎日数時間のスコール(集中豪雨)のために交通事故も多いです。自分自身が車を運転しなくても、配車サービスを使うことはよくあるので依然注意は必要です。
おわりに
今回は、私がマレーシアで生活していた時の医療保険や治療費についてまとめてみました!
一個人の体験談ではありますが、現地採用としてマレーシアで就業される方、ビジネス・旅行・留学などこれからマレーシアへ渡航予定の方にとって少しでも参考になれば幸いです。





